クズとピクロラム
はじめに

 ピクロラムとは?と首をかしげる人も、”ケイピン”と呼ばれるあのマッチ棒状のクズ殺しのあることは、すでにご承知のことと思います。

 ピクロラムとは”ケイピン”の名称で知られるあの木針に吸桁されている薬剤のことです。

 現在いろいろのクズ除草剤が販売されていますが、この”ケイピン”は「株処理」用として最も効果的な薬剤とされております。

 反面、布効成分のピクロラムは、きわめて強力な殺草力をもち、残効性が長いことから薬害のあらわれる可能性をもっており、その使用にあたっては厳重な注意が必要とされます。現に本県でもヒノキ、スギの造林地で、ピクロラムによるとされる薬害が2〜3年前より、数ヶ所において見出されており、特にヒノキに多い傾向が見られます。

ピクロラムによる薬害

 ピグロラムによる薬害は、芽の部分が虫えいのようにこぶ状にふくれるものや、頂芽が曲るものや、てんぐす状に枝葉が叢生化するなどの症状となってあらわれます。これはピクロラムが、造林木の生長をつかさどるホルモン類に作用し、これが一時的な撹乱をおこすために生じる呪象です。”ケイピン”を誤って地表に落とし忘れたり、使用限度(300本/10アール)をこえる本数を施用した場合などに起こります。

 このように”ケイビン”は有効成分であるピクロラムの強力作用性・残効性より、薬害の生じる危険性がありますが,しかしそれだからといって、この”ケイビン”の使用に警鐘を嶋らすっもりはありません,なぜなら使用方法に、細心の注意を払いさえすれば、山のギャングを手軽に、しかも時期をえらばず、確実に退治しうる画期的な製品であるからです。

ケイピンの使用方法

 ここで”ケイビン”の使用にあたって最小限度の注意事項をのべておきたいと思います。

 1.ケイピンのさし方

 図−1の(c)のように色の塗ってあるところまで斜めに十分さしこみます。(a)(b)のようなさし方は、雨水によるピクロラム流出の懸念がありよくありません。

 2.つるの大きさ

 若いつるや、細いつるに処理しますと、つるの腐敗が早いため、まだ木針の残っているうちに落ち、薬害の原因になることがありますので、直径1cm以上のものに使用するのが賢明です。

 3.使用本数

 10アールあたり300本を限度とします,一般にクズ防除の対象となるような場所では、10アールあたり300〜3,000株、平均して800の株密度があるとされています。株数の多い場合、2〜3年がかりで処理することが望ましく、一挙に撲減をはかれば、薬害を招くおそれがあります。

 密生地では、他の薬剤を使うことも考えられます。

4.処理時の天候

 降雨・降雪中の使用はさけてください。

 5.その他

 本剤は、根株にさすのが最も効果的です。この場合、株の大きさにもよりますが、3〜4cmの株では、100%枯死が期待できます。

 大きい株では,直径8cmのものが1本で枯死した例もあります。

 根株に処理すると、上部のつるはもちろん、ランナーに連結した子株まで効果が及びます。

 年を通じて使用が可能であり、時期的な差異はないようです。

 なお、薬害の回避のため、茶・桑・畑作物より10m以上はなして使用していただくことも条件となっております。もちろん、林地ヘ落すことは厳禁です。

おわりに

 以上、”ケイビン”の薬害、使用法などについて問単にふれてまいりましたが、この”ケイビン”は従来の観念を破った新資材でありますため、使用法には特に留意していただきたいと思います。適切なる使使用法をとるならば”ケイヒン”は山のクズ退治に必ずや大きな威力を発揮してくれるはずです。

(諫本)


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